【最新刊】アラザル VOL.12
5cd6db28c843ce1e184ac07b 5cd6db28c843ce1e184ac07b 5cd6db28c843ce1e184ac07b 5cd6db28c843ce1e184ac07b

【最新刊】アラザル VOL.12

¥1,000 税込

送料についてはこちら

前号より一年越しの最新号「VOL.12」をお届けいたします。 今回、serico先生によるポール・トーマス・アンダーソン監督作品へのオマージュ漫画『Have One on Me』がdhmoによる『ファントム・スレッド覚書』と連動して載っているのは弊批評誌初の試みでございます! [目次] 《「重症心身障害児(者)」と「芸術」の臨界点》堤拓哉 《キラッとプリ☆チャンを信じろ》安倉儀たたた 《夜明け》杉森大輔 《壁の中の最後のダンス ドゥニ・ヴィルヌーヴ論》西田博至 【連載:ラッパー宣言】第6回《無記名の川》安東三 《『スパイダーマン:スパイダーバース』と“大いなる誤算”》山下望 【連載:音と音楽と時間】第6回《『Never Too Late But Always Too Early.』》諸根陽介 《ロンドンに雨は降らなかった。を、前提としたファントム・スレッド覚書》dhmo from TAP LAB 《Have One on Me》serico 《《メタスタシス》前夜 クセナキスの習作時代 (2) ル・コルビュジエ時代:難民からエンジニアへ》三上良太 2019年5月6日発行 版型:A5 230ページ 定価1.000円 ↓以下、執筆者よりのコメントです。  『アラザル』12号では「壁の中の最後のダンス」と題したドゥニ・ヴィルヌーヴ論を書いています。ちょうど20000字ぐらいの批評です。  ヴィルヌーヴの映画については、「優等生的」ってレッテルを貼れば済むと思ってるお気楽な論評が多すぎるので、彼が映画のなかで何をやっているのか、いちど、きちんと凝視してみようという試みです。  或る作家についての批評を書いたあとに、その作家の新作とか、見ることがかなわなかった作品に接することは、すごく怖い。めちゃくちゃ怖い。たった一本の作品で、じぶんが編んだ批評の組立がバラバラに破綻することもあるから。  で、ドキドキしながら十数分の短篇「Next Floor」を見ましたが、大丈夫でした。  ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』とか『複製された男』とか『ブレードランナー2049』とか『メッセージ』とか『灼熱の魂』とか『プリズナーズ』とか『静かなる叫び』とか『渦』とか『Un 32 août sur terre』が好きなひとは、『アラザル』最新号を読んでください!(西田博至)  『アラザル』12号に「《メタスタシス》前史:ル・コルビュジエ時代:難民からエンジニアへ」を寄稿しました。パリに到着後、ル・コルビュジエの建築事務所で勤務した時代にクセナキスの関わった2つのユニテ・ダビタスィヨンについて詳述しています。  この時代、つまり1950年代のはじめ頃ですが、音楽家クセナキスにとっては未だ習作時代にあたります。楽壇デビューをしておらず、世間は音楽家としてのクセナキスを知りません。本人にとってさえ、その姿は漠然とした像にとどまり、数年後の未来を思い描くことはできなかったでしょう。  一方でその創造行為は、建築において徐々に形をなしつつあった。後にそれが音楽と統合します。  クセナキスは、自身にとって最初で最後の職場となったパリのセーヴル通り35番地の事務所で、ル・コルビュジエからのみならず、共に働いたボディアンスキ、ヴォジャンスキ、ラファーユらから、大きな刺激を受けました。それは師メシアンから受けたものに勝るとも劣らないはずです。  まるで多くの音楽家が、後年メシアンの伝説的な授業の様子を語るかのように、多くの建築家が、この時代のセーヴル通り35番地での「授業」の様子を語っています。その調子はどちらも「私の経験したあの出来事が、語る価値のないものであろうはずがない」といった熱を帯びています。  この時代、この場所で、クセナキスはどんな仕事をしたか。マルセイユ、ナント、ブリィ・アン・フォレに建立した3つの住居統一体、チャンディーガルの都市構想、エヴーのラ・トゥレット修道院、そして実現に至らなかったいくつかの計画。それらのどの部分で、いつ、どんなふうに仕事をしたのか。  欧米の文献には伝記や対談本などでいくつかの定番が存在するので、「クセナキスのル・コルビュジエ時代」についてある程度知ることができますが、それらはだいたいどれも概略の域を超えないものですので、全体像を知るために十分とは言えません。日本語で読めるものはまだないと思います。  『アラザル』12号では、その前半部分の詳細をできる限り統合した形で、詳らかにしたつもりです。  クセナキス、引いては二十世紀西洋音楽に興味のある方にも、コルの建築に興味のある方にも、一人のすさまじい生を駆け抜けたこの男の青年時代の葛藤と苦悩と自信と達成を、ぜひ追体験して頂きたいです。細かな伝記的記述に溢れていますが、読み物としても面白く書いたつもりです。宜しくお願いします。(三上良太)  私は前号に引き続き詩を寄稿しました。実はアラザルは批評誌なので作品ではなく批評文を載せるべき、と過去に内部で強く主張したことがあり、自分で作品然としたものを連続で寄稿することになり若干の後ろめたさがあるのですが、とはいえ批評性のない作品はない、と言うかどうしても入り込んでしまうものですし、アラザルに載せることを想定して書いているものではあるので、批評として読まれる可能性も--著者としては--残っていると信じています。(杉森大輔)  この度、私が編集発行人を務めたハードコア・インディペンデント批評誌『アラザル』12号が刊行されました。  私が寄稿したのは、「重症心身障害児(者)」をモチーフにした芸術作品を通して、《普通ではない生き方》を肯定する批評文で、相模原障害者殺傷事件(植松聖)への応答文にもなっています。  私の批評文について、「結論に感動した」「よくまとまっていて面白く読めた」「細かく自分の言葉で描写できていて良かった」といった好評の一方、「伝えたいことがわかりにくい」「ノン・パンチャブルでつまらない」「結論が弱い」という悪評もいただいておりますが、ご高覧くださいますれば本望です。(堤拓哉)